黄泉の門が開き、死者が蘇える国『死国』




1999年に公開されたホラー映画「死国」を紹介します。
八十八箇所の霊場を巡礼する「お遍路」。



このお遍路には禁じ手と呼ばれる方法があるのでした。その禁じ手を果たすことで、黄泉の国の門が開き、亡くなった者が肉体を持ち、生身の人間としてこの世に戻ってくる。あなたには、この禁じ手を破ってでも蘇らせたい人はいますか?

その存在感で、観るものを魅了する若干14歳の女優・栗山千明。女優としての、本格的なデビュー作品ではないでしょうか。


◆INTRODUCTION

小学生の比奈子、莎代里、文也は、仲良しの友達同士でした。ある日、いつものように3人で遊んでいると、莎代里 の父親が現れ、お母さんが待っていると連れて行かれてしまいます。比奈子は、莎代里 が忘れていったランドセルを届けに家を訪ねますが、声をかけても返事がありませんでした。比奈子は、家へ上がりこみ、物音のする方へすすんでいきます。そして、襖を静かに開けのぞきこむと、不思議な儀式をしている莎代里を目にするのでした。翌日、莎代里は比奈子に、きのう見たことを、絶対言わないよう、強く約束させるのでした。

ある日、3人で遊んでいると、比奈子が川で 溺れ、流されてしまいます。文也が大人を呼びに行って戻ってみると、比奈子は川から上がっており、ずぶ濡れの莎代里にしがみついたまま、離れたくないと泣きじゃくるのでした。
しばらくして、父親の仕事の都合で東京へと引っ越すことになった比奈子は、莎代里と鈴の御守りを交換し、二人に別れを告げ、東京へと向かうのでした。

それから数十年が経ち、小学生の時以来、田舎へ帰郷した比奈子は、仲良しだった莎代里の家を訪ねます。玄関先で何度か呼びかけるのですが返事はありませんでした。誰もいないようなので帰ろうとしたとき、ふと見上げた2階の窓に人影を見つけます。ふたたび、呼びかけてみますが、返事はなく人影も消えてしまいます。しかたなくその場を後にした比奈子は、村の中を歩いていると、祭りの準備をする、小学校の同級生ゆかりと出会います。そして、ゆかりから、莎代里が高校の時に川に落ちて亡くなったと、衝撃の事実を知らされるのでした。そして、村祭りへ向かった比奈子は、仲良しだった文也と出会い、思い出話をしながら、莎代里の家を訪ねたときの話をするのですが、文也は、母親はお遍路に出ているため、家には誰もいないはずだと、話すのでした。

文也の勤める役所に、谷のお地蔵さんの頭が壊されていると連絡があり、警官とその場を訪れた文也は、その警官から、お地蔵さんの先にある壊れた柵の向こうへ入ると、祟りがあるという噂を聞くのでした。
後日、壊れた柵にロープを張っている文也のもとに、役所の人から居場所を聞いた比奈子がやってきます。比奈子は「昨夜、莎代里ちゃんを見た。夢だとは思うけど、なんだか夢 じゃないみたいだった」と言い、引越しの時に交換した、鈴の御守りを見せながら、「何か言いたいことがあるのかな。」「莎代里ちゃんの家でおかしなものも見た。なんか変じゃない。」と話すと、文也が、「莎代里ちゃん、川で死んだんじゃなく、儀式の最中に悪霊を憑り込んで殺されたらしい。」と打ち明け、柵の中へ入り「ここ、日浦家と関係があるらしい。昨日、僕も莎代里ちゃんを見た。」と、二人で柵の中に足を踏み入れ、森の奥へと進んでいくのでした。

そして村では、亡くなった人が現れるという不思議な現象がおきはじめます。
森の奥で見た場所に疑問を抱いた文也は、専門家を連れ再度訪れると、人が来ている形跡があり、何かの儀式をおこなっているようだと教えられ、調べていくのでした。

一緒に調べていく中で、お互いに惹かれていく比奈子と文也。そして、亡くなった莎代里が抱く、文也への強い想い。3人の関係はどうなっていくのか・・・。

左回りは死の国へ行く道 結界を破る道
逆打ちとよばれ、死んだ者の齢の数だけ逆に巡ると・・・
黄泉の国の門が開き、死んだ者が肉体を持ち、生身の人間としてこの世に戻ってくる。





◆CAST

明神比奈子(夏川結衣)
パッケージデザイナー。小学校の時に、父親の都合で東京に引っ越すことになる。引っ越してからも、莎代里に手紙を出していた。

秋沢文也(筒井道隆)
大学卒業後、大阪で3年間サラリーマンをしていたが、地元に戻り役所で働いている。亡くなる前までは、莎代里と付き合っていた。

日浦莎代里(栗山千明)
16歳の時に亡くなる。幼い頃から、口寄せの儀式で依り代をさせられていた。小学生の頃から文也をずっと想っていた。

日浦照子(根岸季衣)
莎代里の母親であり、降交霊をおこなう霊能者。16歳で亡くなった莎代里を生き返らせるため、死者を蘇らせる禁じ手を成しとげる。

日浦康鷹(大杉漣)
莎代里の父親。石鎚山に登っているときに崖から落ちて植物状態のまま入院している。
四国の古代文化史の本を書いており、お遍路についての考察も書いていた。

仙頭直朗(佐藤允)
四国に結界をはる目的で四国を巡る修験者の一人。

浅川ゆかり(大寶智子)
比奈子の小学校時代の同級生。莎代里が、川で亡くなった事を教えてくれる。他にも、比奈子が引っ越してからの莎代里の行動や言動を話してくれた。

小田(諏訪太朗)
古代史・民俗学の専門家。文也が森の奥にある不思議な場所の相談をする。文也と比奈子に、四国を巡る修験者の一人である仙頭直朗を訪ねることをすすめる。


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