伝えたい・・・いま僕は幸せです。『僕が愛したすべての君へ』

パラレルワールド＝平行世界
選択したことにより無数に存在する世界
辛いことがある世界と、幸せでいる世界があるということなのだろうか？
傷つけてしまった人がいる世界と、幸せにできた人がいる世界があるということなのだろうか？
いままで過ごしてきた時間を思い浮かべながら視聴した作品。
２０２２年公開の映画
『僕が愛したすべての君へ』を紹介します。

◆INTRODUCTION

もうすぐ僕はこの人生を幸せに終える。
－－－高崎暦－－－

老年の高崎暦。
目を覚ますと身に覚えのない予定がＩＰ端末に入力されていた。
妻の和音の言葉もあり、約束の場所が近かったため出かけてみると、その場所の交差点に少女が立っており暦に話しかけてきた。

「迎えに来てくれたの。」

少女の姿は消えパラレルシフトをしたと感じた暦は、ＩＰ端末に目をやるとＥＲＲＯＲと表示されていました。

「ここはどこなんだ？」

人は生まれた瞬間から
無数の選択をしてきている
その選択において
選ばなかった世界が平行世界
つまりパラレルワールドなのだと
今では実証されている
その平行世界を移動する事を
パラレルシフト
と、いっても物理的に肉体が
移動するわけではなく
虚質と名づけられた
意識だけが入れ代わる
小さなパラレルシフトは
日常的に起こっているが
気づくことはほとんどない。

時折、しまっておいたものがなくなり
念のためもう一度確認すると
見つかるのは
小さなパラレルシフトが
原因のことが多い

高橋暦がはじめて大きな選択をしたのは７歳の時、両親の離婚により母親と暮らすことを選んだときでした。

母親と祖父、祖母の４人で暮らすようになった暦。
しばらくして祖父が亡くなってしまいます。お通夜の準備をする母親に「ユノ（愛犬）の散歩に行ってくる」と、出かけた暦は急に走り出したユノを追いかけるなか足がもつれ転びかけ、気づくとガラスで覆われたケースの中にいるのでした。ガラス越しに見えた少女に声をかけケースのフタを開けてもらうのですが少女は走り去ってしまいます。自分がどこにいるのかわからず歩き回っていると、父親の勤める研究所だということを知るのでした。
母親に電話をかけ迎えに来てもらい家に帰ると、祖父が生きており愛犬のユノが亡くなっていました。
暦は、それまでの会話や接し方などを含め自分のいた世界と違うと感じるのでした。
その夜、祖父と一緒に寝ながらいろいろな話をした暦は、目を覚ますと元の世界に戻っていました。
この出来事がきっかけとなり平行世界という存在を意識するようになります。
しばらくして、暦の父親の勤める虚質科学研究所は平行世界の存在を実証したと発表します。

優秀な父親の遺伝なのか、学校の成績が異常なほどよかった暦には友人はひとりもいませんでした。
高校になったら友人をつくろうと思っていましたが、暦が入学したトップクラスの進学校では他人にかまうような雰囲気はなく中学時代同様孤独な日々を過ごしていました。
ある日クラスメイトの瀧川和音に「こよみ」と、親しげに名前を呼ばれます。
そして彼女は平行世界から来たと言い、そこでの二人は恋人同士だと話すのでした。