『To-y』
1985年から1987年まで『週刊少年サンデー』に掲載されていた[STYLISH & COOL]なマンガです。
作者は、上条淳士 氏(かみじょうあつし)。
連載が終了した後も、読切作品To-yスピンオフ「山田のコト」が掲載されました。
ちなみに、藤井冬威(To-y)は、1985年16歳ということなので、2019年には50歳!!
ニヤちゃんはTo-yのひとつ下なので・・・・・
ぼくは、このマンガ[To-y]を読んでとても衝撃をうけたました。それは、物語を読みすすめていくうちに、聞こえるはずのないサウンドが頭の中で響きわたっているのを感じたことです。しかも、静止画なのに動画を見ているような錯覚を起こしてしまう描写に驚きました。
今はどんなサウンドが響きわたるのだろう?
あの時に聴こえたサウンドと一緒なのだろうか?
もう一度読み返してみよう・・・・・。
[退屈ってやつを・・・ブッつぶす]
パンクバンドGASPのボーカルである藤井冬威(To-y)が様々な葛藤を経て、自分の求める音楽へたどりつくまでの物語です。登場人物も魅力的で、とくにTo-yの追っかけである山田二矢の存在は物語のキーパーソンになっています。
音楽が聴こえてくるように感じる臨場感のある描写が衝撃的な作品です。
◆STORY
パンクバンド GASP時代
パンクバンドGASPのボーカルTo-yは、メンバー桃ちゃん(Dr)、イサミ(B)、ショージ(G)たちとライブハウスに殴りこみをかけ乗っ取りライブおこなう。そこにはアイドル歌手の哀川陽司とそのマネージャーである加藤か志子が来ていた。To-yの魅力に興味を持った加藤は、GASPとしてではなくTo-y個人を、アイドル歌手としてスカウトする。GASPとしての誘いではないことで断るのだが、諦めきれない加藤はインディーズレーベルに資金援助をおこない、野音(日比谷野外音楽堂)でのGASPラストコンサートをすすめていく。
野音でのコンサートの裏に加藤の存在があることに気づいたTo-yは本人に問いただす。
「現在の君が欲しいのっ!まだ、真っ白いままの・・・・・」
コンサートに行くことをためらうTo-yにリーダー桃ちゃんが一言・・・
「上に行きたいって気持ちを大切にしろヨ!!」
悩んだあげく野音でのライブを成功させGASPを脱退するTo-y
哀川陽司バックバンド EDGEに参加
GASPを脱退し加藤のもとにいかず姿を消したTo-yであったが、哀川陽司のバックバンドのオーディションを受けることに。見事オーディションに合格したTo-yは、バックバンドとしてメディアを通じその存在をひろめていくのだが、自分が歌う場所を求める強い気持ちから突飛な行動をとりはじめていく。この行動が、自分を求めるTo-yの合図であると確信した加藤は哀川陽司のバックバンドをクビにし、To-yのデビューに向けた準備をすすめることに。
一方、GASPを抜けたことを裏切りと感じている、元メンバーのイサミ、To-yをカリスマ的に崇拝していたパンクバンド ペニシリン-ショックのカイエは、アイドルのバックバンドになったTo-yに憎悪にもにた感情を強くもち執拗に狙うことになる。
カイエ To-y抹殺計画
1985.11.11 To-yのメジャーデビューの日程が決まる。しかも、デビューコンサートが武道館という異例の展開。デビューに向けた準備がすすめられる中、デビューの前日にカイエによる「To-y抹殺計画」が実行される。新生GASPの復活ライブを襲撃したあげくニヤを拉致するのである。玄関に残されたニヤの制服を目にしたTo-yは、夜通しカイエの居場所を探しつづける・・・
武道館での威嚇射撃
To-yは初めて出会ったサポートメンバーの音に殴り込みをかけるようにセッションを演じる。ニヤの感情をきいたTo-yは、武道館ライブはリハーサルなしの一発勝負でのぞむことを決める。
ニヤ「あたし 泣いちゃった・・・」
1985.11.11武道館 To-yの放つ威嚇射撃に観客は皆たちすくんでしまう。
「命だけは 助けてやるよ」
この武道館ライブと大晦日の野外ライブのシーンが好きです。
引退
鮮烈なデビューを果たしたTo-yであるが、彼をサポートしてきた加藤が加山プロの策略にはまり失脚されられる。加藤が消えた不安を隠すように強がるTo-yだったが、反発心から突飛な行動を繰り返し、日本レコ大の最優秀新人賞に輝く壇上で、賞の辞退と引退を宣言し去っていく。
会場をあとにしたTo-y、それについていく陽司は大晦日の野外ライブに飛び入り参加し熱いセッションを繰り広げる。
年があけ、陽司はアメリカへと旅立ち、それを見送ったTo-yは中止になった8DAYSのライブ会場へと向かう。しかし、会場へ向かう途中に故意の事故にあってしまう。
そこに、姿を消していた加藤か志子が現れる・・・
「天国から迎えにきたわよ トーイ!」
「老けた・・・天使だな・・・」
月日は流れ、日差しの強いセミの声が響く季節 ニヤからの手紙が届く
「ねえ、とおい うたってる?」
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